新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事!第221庭 目隠し庭の植栽・芝

先日、友人の息子さんの話に花が咲いた。
部活に打ち込んでいたらしく練習熱心で補欠からレギュラーとして大会を迎えたらしい。スマホで映像を見せてもらう。少し強張った笑顔のユニフォーム姿だった。
しかし、努力は必ず報われるとは限らない。歓喜に包まれる勝者の陰で、大多数の選手は悔し涙を流す。最後の大会だったようで試合後は目を赤くし整列していた。それでも最後に「今まで応援ありがとうございました」と頭を下げる10代達が清々しい。
悲しみや悔しさはきっと心の糧になってくれると信じたい。
強さ以上に優しさがありがたいのだ。試合に出た者と出れない者、ベンチで分け隔てなく称え合う姿が素敵だった。

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前回、樹脂パネル製のフェンスを設けた。
今回はその続きで目隠しした庭部分の植栽・芝張りを行い仕上げを行う。
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①植木配置
用意した植木を予定位置に配置し確認・準備を行う。
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②堆肥
土に対して3割程度の堆肥混ぜ込み。
植木の根回りの土には「適度な保水と排水」という矛盾した役割が求められる。加えて肥料分の蓄え、保肥力もあれば尚よい。堆肥にはそんな都合の良いスポンジのような仕事をしてもらう事になる。
堆肥には動物性と植物性の2種類があるが簡単に言えば植物性は肥料っけが無い物、動物性の場合、肥料分を有している物と分類できる。とは言え動物性堆肥の肥料分は永遠では無いので遅かれ早かれ肥料は必要になる。
ご家庭での場合は求めやすい方を選んでいただきたい。
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③植え込み
掘った穴に根を入れ、堆肥入りの土をかぶせる。
かぶせた土はフカフカで空隙が多くある状態なので強風などで煽られやすく、動くことで根を痛めやすい。溢れる量の水を土に加え空隙を埋める水極めを行いたい。
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④支柱
支柱をたてれば更に安心できる。
吸収する為に伸びた根は細根と言い文字通りなのだが極めて細い。風で樹が煽られ根鉢が動くと最初に切れるのは細根となり根鉢にダメージを負う。
根鉢を守るための支柱なので株立ちの場合、太い枝に添わせるように設置したい。
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⑤結束
支柱に杉テープとシュロ縄で結束。
動かない様にしっかり縛る必要があるが、「樹は成長するのできつく縛ると枝が絞められて太く成長できない」という風に以前言われた事がある。なるほど人情だろうか、樹を生き物と捉え優しい対応に感じる。
しかし、前述した通り支柱結束は大事な根鉢を守るために行う為、動いてはいけない。更に支柱・杉テープ・シュロ縄はすべて自然の物、数年で朽ちる算段だ。つまり数年間根鉢を守り、根が伸びて自立できる頃にその役割を終え結束は解ける様になっている。
シュロ縄は緩いと雨水が回りやすく朽ちやすいので、遠慮なく固めの結束で良いようだ。
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⑥剪定前
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⑦剪定後
剪定を行うとやはりスッキリしたと感じる。
美観も重要な要素だが自然な枝ぶりは時として擦れ傷つけ合い、移植直後などは樹を弱らせる事にもなる。
ご家庭で混みあった樹の剪定の場合、どう手を付ければと感じるかもしれないが擦れ合いそうな交差する枝を落とすだけで雰囲気は変わる。習いたての頃は一部分だけに集中せず全体的に鋏を入れろと昭和らしく圧強めでよく言われた。
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⑧整地
植木の工程を済ませ、芝の工程に。
芝は水はけを好む。芝の仕上がりに起伏を設けない場合、平たんな整地は重要な工程。今回は堆肥を混ぜた砂質土を均し整地を行った。
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⑨芝はり
目地を設けず芝の張り合わせ、ベタ張り。
一般的に芝と芝には一定間隔の隙間を設ける目地張りが主流。その場合、目地には目砂を入れるので生え揃うまで時間がかかる。
それに対して目地間隔を設けず突き合わせて張るベタ張りで今回すすめている。生え揃うまでの時間短縮がメリットだが目地分の芝が必要となる為、目地張りよりコストがかかってしまう。しかし広大な面積でない場合、例えば一般的な住宅の一部の芝の場合にどれだけ目地幅があるかと考えれば誤差程度なので、コストがかかると言うのは些か大げさやもしれない。
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⑩転圧
芝を転圧し平坦な仕上がり。
芝の成長度合いにより厚みはまばらである。根がしっかり育っている場合、絡み合った根にしっかり土が付いているので厚く、そうでない場合はもちろん薄い。
その為、最初の工程で整地はしているが芝による多少の凸凹が発生する。そこで転圧を行い平坦にするのが目的だ。
必ず行わなければいけない工程で無く、仕上がりに対しての一手間となる。

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⑪目砂
ベタ張りなので目地埋めではなく隙間埋めや凹凸軽減。
目砂の用途に発芽促進や根の活着促進等が挙げられる。漢字多めの何やら難しい言葉になったがシンプルに目砂を薄く撒くことで保水力が高まると言って良いだろう。レーキなどで伸ばすように均せば低い所が埋まりやすく凹凸緩和も期待できる。
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⑫散水
目砂の隙間埋めと水やり。
散水する事で目砂が空隙を埋めてくれる。
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⑬清掃
余分な目砂や冬枯れした葉を除去。
芝は落葉樹に属すので残り枯れ葉が多少なりともあったりする。熊手でかるく集めると余分な目砂と一緒に枯れ葉も集まるのでささっと行う清掃だが、この一手間でグリーンカラーの仕上がりが一段上がる。
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⑭仕上がり
これにて完成。

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