新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事!第191庭 石積みで花壇~ロックガーデン~仕上げ編

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前回、当店の店先で石積みを行った。
石積みと言うと少し仰々しく聞こえるが、花壇用の石積みで高さは膝丈に満たない。見た目にも石特有の重厚感は薄く優しい感じになっている。
ブロックやレンガの普及で石積みは身近なものではなくなったが昔の土留めに石積みは大なり小なり庭にあった。特に固められていない石積みは植物との相性が極めて良い。排水と通気が石積みには機能するからだ。石と石との適度な隙間が不要な水の排水、空気通を行い根の成長を促すとされている。


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花壇内に植栽を施す。
初手はメインとなる大きいものから。店の植木エリアからシャラの樹を選ぶ。実はこの樹、以前にこのブログでも紹介し引き揚げてきたシャラ。
その時の話はこちら⇒⇒第181庭,植木移植シャラの樹

根回りを傷つけない様に手作業で掘り起こし、重機で吊り上げ。
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花壇に運び移植。
シャラは西日が得意では無いので少し奥まった日影のある所に配置。花壇内は宿根草をメインにした形を予定しているが高めの樹木を少し入れる事で高低差の緩急を設けている。
そこに先人の知恵がある。
京都のとある有名なお寺の庭園では平垣の高さを変化させて立体感を演出している。タネを明かせば目の錯覚になるが国土の狭い日本、その庭を少しでも広く感じれるような工夫として様々な技法が考えられたらしい。小庭といえば坪庭があるが、小さな空間にいくつもの趣を閉じ込めているところは実に日本人らしい。
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宿根草と庭石の配置。
ポットに入ったままの状態で仮置き、石も沿わせて配置し全体のバランス確認後に植え始める。

DIYで草花を植える際に悩みの種になるのが何を植えればよいのかわからない事だそうだ。そんな時におススメしたいのは少量多品目植栽。
登山で山の自然を目にすると分かり易いが多品目の花が密集して自生する状態を見かけない。何かの種が風で一斉に運ばれて近くのエリアに着地するからだ。つまり人間の手が入らない自然界での花畑は一種類が咲き広がるケースが多い。
もちろん美しい景観なのだが一種類だけにこだわりが無いのであれば少量づつ多品目を用意し、試してみるのは如何か。変化する草花を見てから好みがあれば買い足すのもありだ。人気商品は扱いやすい物が多い事も意識したい。
コツの一つとして最初は苦痛を感じない程度、楽しく行える範囲内で始めたい。
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グリム童話にある「小人の靴屋」をご存じだろうか。
貧しい靴屋が皮を用意して寝ると小人がせっせと作ってくれる、朝には立派な靴が完成されていてお店は繁盛するようになった話だ。

作業の休憩中になぜかプランナーの一人が石をいじっている姿が偶然カメラに残っていた。現代にも小人がいたかと驚く。しかし、こちらが休んでいる間に勝手に進めてくれるのはありがたいが組み上げて完成したはずの石積みに小人はなぜ手を加えるのか。石の小人と呼んで良いかは定かで無いが後々見ると、石積みの一部の石を抜き取りポット花が入れられていた。
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ポット苗を植える際に根崩しした方が良いものと悪いものがあるがそれぞれ種類別に確認するのが大変であればポット内部の根の張り具合を確認したい。ぎゅうぎゅうになっていれば行い、あまり張っていなければそのままで良いだろう。
ポット内部で根がぎゅうぎゅう・巻いてあるケースに多いのは下部に伸びた根が底に突き当り伸びるスペースを求めて中央に巻き込みようになっている。そのままだと大事な先端が真ん中で団子状に密集し成長が阻害されるかもしれないので地植えする際はひと手間だが根崩しを行ってから植えたい。
⇑画像左、密集した根を軽く手でほぐす。
⇗画像右、先端の細根は繊細で傷つきやすい為、切り離す事で新しい細根の成長を促す。

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童話では小人との会話は無いが靴屋から感謝の気持ちに小さな服と靴をもらっている。飲み物の差し入れを持参し、更には休憩中に手伝ってくれた石の小人に対し何もしてない事に気づく。今更ながら何と声をかけようか。
童話の優しい話のハズが少し薄情な話になってしまった。
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これにて完成。

越後職人が手がけた これまでの仕事が掲載、履歴一覧はこちら

【越後職人宅の庭づくりをスライドショーで紹介】