新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事!第190庭 石積みで花壇~ロックガーデン~石積み編

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今回の現場は当店の店先。
画面左上⇑、現状の花壇から石積みを行いリノベーションする。
画面右上⇗、使用する石。

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まずは花壇内の草花を整理。
再利用も含めてそれぞれの選別をしながら鉢などに移し替えを行う。
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画像左上⇑、石積みを行う位置で地盤を転圧、地固めを行う。

画像右上⇗用意した石を使って礎となる根石を並べる。
今回は高く積み上げ無いのでセメントを使用しない空積み。昔ながらの工法、城郭の石垣でよく見られるものだ。反対にセメントを使用した近代の工法が練積みになるがご存じの通り強度がでる。構造物にとって重要な事だ。
劣勢の空積みだが、もちろんデメリットばかりでは無い。工程と共に昔ながらのメリットをいくつか紹介したい。
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根石に裏込めを行い石を固定。
画面右上⇗石の内側に粘性の土を密着させて突き固め、空隙を無くす事で動きを封じる。因みに城郭の石垣は内部に栗石(細かい石)を大量にいれて動きを押さえている。近代は一定の規模になると内部にコンクリートを流し入れる。
裏込めに使用するそれぞれの材の違いで手間や材料費といったコストに差が出てしまう。積み上げない前提はあるが空積みのメリットの一つはコストが抑えられる点になる。
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画面左上⇑石の上に石。
画面右上⇗石と石の上に石。
揺れた時にどちらが安定しているだろうか。答えは後者で下の石が複数である事によって力が分散される。エジプトのピラミッドはもちろん、学生時代に行った方も多いだろう組み体操の人間ピラミッドでも同じ原理になる。
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天然の石を使用している為、大きさや形にばらつきがあるがそれが石積みの味ともいえる。不揃いの自然美とでも言えば良いのか、それぞれの周りの形に応じて石を組むように合わせると良しとされている。石同士が点と点ではなく面と面で合わさる形だ。
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両隣の石に合わせてあてがった石だが青矢印、下部の凸型石に押し上げられている形になってしまった。
それが原因で赤矢印、大きな隙間が生じ点と点で接している状態。
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そこで下段の凸部分を金槌で斫り(削り)なだらかに修正。
画像右上⇗先程の大きな隙間が無くなり、石同士も面で接する事になり動きが減る。見た目には石特有のしっかり感が増したような印象を受ける。
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積み上げ後、石と石の隙間に小石を挟み目地埋め。
小石により接点が増える事で全体の安定度が増すのがお題目になる。しかし、一方では隙間が適度にある事で花壇内の空気通と排水が高まる事で根の成長が促される。つまり植物にとってきっちりした囲いよりも多少のゆるみ(隙間)を持った石積み花壇の方が良環境となるようだ。

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少し昔の話だが築城の名手、加藤清正公が手掛けた石垣では石と石の間に藁を詰めて隙間を設け、その脇に植えた木の根と石垣が絡むようにした一説を読んだ事がある。全国の大名が合同で行った石垣普請で他の部分は崩れたりしたが清正公の受け持った場所はそのまま残りわらべ歌にもなったとか。

これにて完成。
次回は続編。石と石の間に宿根草、シャラの樹つり上げ等の仕上げ。

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