新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事!第203庭 土間コンクリート刷毛引き仕上げ Re③

年の瀬が近づくと柄にもなく反省したい気持ちになる。
区切りとして年齢を改めて意識してしまい、もうこんな歳かと頭の中で平均寿命から歳の数を引く簡単な計算を行い今年はアレが良くなかった、もっと出来たはずだと後悔したくなる。
2023年の大河ドラマで話題となった徳川家康公は神君と呼ばれていたが、そんな将軍様も迷い不安を抱えながら家族や仲間たちを守ろうと必死にもがいていた。歴史に残るような出来事にこんな葛藤があったのやもと改めて感心した。
一町人は背伸びをしすぎず一日一ミリにしたい。丁度良いタイミングで来年は一日多い閏年。366だったかなと頭に数字を並べるが休みも必要だとプラスとマイナスで葛藤する。
将軍の葛藤とずいぶん差があるな等と考えていると手が停まり、大掃除中だと注意された。
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駐車スペースの拡張に伴った庭部のリフォーム工事、今回はvol.3。


⇑画像、前回は庭の一部を掘削し新たに土留めを手掛けた。
今回はメインである車庫部のコンクリート打設。
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事前に砕石敷き、転圧を行っている。
⇑画像、ワイヤーメッシュ敷き。
⇗画像、コンクリート打設内にある水道メーターや点検口等はワイヤーカッターで切断加工。

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ワイヤーメッシュ同士の結束。
結束には軟らかな針金、なまし番線を使用する事で普通の針金と違った結束の引き絞りに堪える事が出来る。
一見、結束する事でワイヤーメッシュ同士の連結、一枚板になった様に感じられるが実はイメージと多少異なる。建築基準法ではセメント内部に組み込む金属を繫げて強度を高める為には溶接しか認められていない。しかし溶接となるとハイコストになってしまう。
そこでメッシュ同士の重ね継ぎ手、現場で言うラップが用いられる。
日本建築学会鉄筋コンクリート造配筋指針ではひび割れ防止としてワイヤーメッシュ端部を15cm以上重ね合わせる仕様になっている。つまり、打設圧により重ね長さが減少しない(ズレない)様にするのが結束の目的となっている。
重複の度合い、重ね継ぎ手の長さが重要となるのでポイントとしたい。

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⇑画像、スペーサーをワイヤーメッシュの下に設置。
ワイヤーメッシュや鉄筋がコンクリート中央に配筋されるのが望ましいが、2重(ダブル)で組み込まれるケースや現場での施工誤差も想定とされているのか建築基準法では耐力壁以外の壁又は床にあってはかぶり厚さ2cm以上となっている。かぶり厚さとは表面から鉄筋やワイヤーメッシュまでの長さ(距離)。
2cmとは少し心もとないと感じる方もいると思うが、ここで重きを置いているのは対外力用の強度よりも錆対策にある。
コンクリートは水分を含むため表面に近いと錆びやすくなる側面がある。鉄筋は酸に弱い為、強アルカリのコンクリート内部に配置し錆防止のかぶり厚さとなっている。
因みにコンクリート内で錆びてしまった鉄は膨張し内側から力を加え、コンクリートに亀裂を与えるのが内部クラック(ひび割れ)のメカニズムだ。
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準備を済ませ、コンクリート打設。
セメント、モルタル、コンクリート、どれも聞いた事がある言葉だと思うが違いをご存じだろうか。
セメントは主に石灰石を主成分にした粉末で水と混ぜる事で化学反応が起き固まる。しかし、それだけでは強度が弱くひび割れが起こりやすい。更にセメントだけだとハイコストとなってしまう。
そこで細骨材(砂)を混ぜる事で強度増、コストを軽減させたのがモルタル。使用例としては壁塗りやレンガやブロック積み等、厚みが伴わない場合に用いられる。
もう一段階上げるとモルタルに粗骨材(砂利)を混ぜ更に強度増、コストを軽減させたのがコンクリートとなる。これはご存じの通り砂利の分があるので厚みが伴う様な嵩(かさ)のある構造物に使用される。
モルタル=セメント+水+細骨材(砂)
コンクリート=セメント+水+細骨材(砂)+粗骨材(砂利)
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平滑に均す。
⇑画像、一回目均し。
⇗画像、二回目均し後、刷毛引き仕上げ。
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何故、一回で均しきって仕上げられないのか。
昭和の一言で済ますには少し乱暴だろうか、当方より上の世代は見て覚えるのは当たり前。ビジネスの効率重視と言うより年功序列が第一で勤め先で違いはあったと思うが入って5年間、作業員Aはまともに鏝(コテ)を持った事がなかった。手のひらに出来る豆はひたすらスコップによるもので他所の若職人さんを羨望の眼差しでいつも見上げていた。
そんな作業員Aがいつも不思議だったのがコンクリート打設。仕上げるまでに何回も均しているのでお偉い職人さんなのに何故何回も撫でるのかと不思議だったが聞いても水があって均せないと言うばかり。詳しく聞いてもそれ以上の答えは返ってこなかった。
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作業員Aも後々理解できたのだが前述した通りコンクリートには水が混合される。
セメントと水の反応(水和反応)により熱が生じ、水が気化すると同時に体積が減る。体積減と共に均した表面の密度は下がり粗くなってしまう。途中まで居たものが居なくなってしまうのだ。ならば水分が少なくなってから均せば効率的ではと考えてしまうが流動性も同時に失われているのでコンクリートが固く均すのに非効率となってしまう。
つまり、水を含み軟らかく造形しやすい内に均す必要があるのだが、体積が減り表面が変化するのできめ細やかに均し仕上げられる迄、何回かに分けて行う必要があったのだ。

これにて完成。
次回庭リフォーム最終回、植木復旧。

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