新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事!第197庭 玄関脇、コンクリート刷毛引き仕上げ

新潟市古町と言えば昔からある繁華街だが隣接する住宅街、通称「下(しも)」と言われている下町はご存じだろうか。
現在のNEXT21のあたりに昔は新潟奉行所があり元三越とネクスト21の間にある柾谷小路を境に信濃川の川下側を下町、川上側(白山神社の方)を上町と言ったらしい。
先日、仕事の合間に立ち寄った西大畑公園は大きなマンションや建物がある中に樹々が立ち並ぶ公園だった。古いトイレもあったが新潟市美術館が隣にあるからだろうか一部をモザイクタイルで仕上げてあり昭和モダンのような雰囲気があった。
その横で子供達が楽しげにサッカーをしていた、こんな街中で育っても公園で遊んでいる事に感心する。
虫取り網を手に飛び跳ねていた昭和が懐かしい。
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工事前
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縁石解体
今回の現場は玄関脇の庭部分。
初手はピンコロ石で縁取った縁石の解体から。
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縁石積み込み
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残土積み込み
解体した縁石をトラック荷台に並べ、なるべく場所を取らない様にコンパクトに積み込み。
その後、砕石やコンクリート舗装分の土砂鋤取り。残土搬出の為、トラックに積み込んでいく。

一般的に土砂の鋤取りは重労働となるので人力よりも重機の使用が多い。しかし重機はトラックに積んでくる手間と持ち帰る手間がついてくる。一定以上なら重機の方が早いので、もちろんその方が良いのだが小規模ならコストパフォーマンスは低くなってしまう。
事前に算出した土砂の量を考えるとどっちつかずの量だったので、今回は人力を選んだ。
二択になるとアナログを選びがちなのも昭和世代だからだろうか。
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砕石転圧
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土間コンクリート打設
玄関のタイルに合わせた形でコンクリートを打設する。
初手で解体したが元々縁石があった為、玄関タイルの下端は既存の土の高さに合わせられていた。しかし車の乗り入れできるようにU字溝際のコンクリートは道路に合わせる必要がある為、低い道路際から乗り入れ部分にかけてぐっと持ち上げる形を予定している。
もちろん、下地の砕石もそれに伴い道路から乗り入れ部分を持ち上げて敷き均し、転圧も崩れない様に人力のダンパーで丁寧に行う。
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乗り入れ部均し
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橋渡し
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水分があり柔らかい
打設後の均し。
土間コンクリートを仕上げる迄にコテで何回押さえ均しするかご存じだろうか。
もちろん色々なやり方があるので決まりや正解があるわけでも無いが一般的に打設時・中締まり・仕上げの3回が多い。
日本建築学会の建築工事共通仕様書に記載されている床面仕上げの工程も新旧道具の違いはあれども近い内容になっている。
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水が引いてコテ押さえ
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刷毛引き
硬化が進み十分締め固まった所で最後のコテ押さえを行い刷毛を引いて仕上げる。
左官工事の右も左も分からない頃は何故何回も押さえ均しを行うのか理由がわからなかった。職人なら一回でいいのじゃないのか?といつも疑問に思っていたのだ。
当時の職人の世界は教わるものでは無く、技は見て盗むもので当方がコテを持たせてもらったのは入門し6年が経っていた。
長年の疑問は実際に押さえ均しをするとすぐに分かった。
コンクリートは硬化の進行に伴い水分が抜け体積が減る。体積の変化と共に表面も変化するので刻々と変わるコンクリートの硬化と並行して均す必要があった。もちろん打設直後はいくら均してもコンクリートは柔らかくコテ波が残るのである程度でしか平滑にならないのも理由となる。
つまるところ、徐々に痩せていくコンクリートを何回かに分けて均し、平滑にし変化が収まった所で仕上げ押さえを行うので季節で変化はあるが長時間かけて行う左官工事となる。
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これにて完成。

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