新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事!第194庭 ロックガーデン Reno3
⇑左上画像、工事前。
奥側にある砂利敷きスペースを中心に行ったのが前回のテラス。今回は前庭と言うだけあって手前でコンクリートのすぐ後ろ、芝の部分。
⇗右上画像、芝を剥いで掘削を行う。
その後ライトアップ用の配線、植栽用の土を入れアルミのフェンスを立ち上げた。
事前の準備が整いいよいよ植栽が始まる。
前回は割った石を用いたテラスがお題目だったので、今回は植栽を中心にスポットをむける。
土に元肥や堆肥を混ぜ植えていく。
元肥は植える際の肥料の事でご存じの方も多いやもしれない。しかし、「堆肥?」と何度か質問された経験がある。
堆肥は種類によって違いがあるのでわかりづらい部分もあるが当店は主に土壌改良材として用いる。肥料を養分として使うのはお馴染みだとおもうが堆肥は地盤改良、つまり植物にとって都合の良い土にする為に加える。
では都合の良い土とは何か。保水、排水、保肥がバランス良く機能できる土壌である。
支柱の設置。
風による倒木や根を充実させるための活着を良くさせる為に行う。
公園や街路樹で設置されている木製の杭を使った2脚鳥居支柱がもっとも目にしやすい。もちろんその他にも3脚や4脚、竹の八掛け等状況に応じた支柱がある。
今回行うのは地下支柱。
メインとなる樹木の景観が損なわない様に支柱の地下支持型。
基本となる支柱、縛る、固定が土中内で行われるので見た目・景観がより自然に近いスタイルと言われている。具体的にはドレスアップした樹木に添えられるはずの黒子的な支柱が存在しなくて済むので大型の複合駅前や都市部での華やかなシンボルツリーと言った都市緑化の一環として用いられるケースが多いようだ。
もちろん良い事ばかりでは無い。一般的な支柱は樹木に直接結束するので風に対しての支柱効果やコスト面ではこちらに良い結果が得られやすい。状況に応じての対処を忘れたくない。
根鉢と支柱を縛り固定後、杭の余分を切り落とし。
その後、根の周りに水を流し入れ土を入れつつ棒で突き固め、空隙を無くし活着を良くする。活着とは根付き、成長する事なので樹木にとって重要で根幹となる。根付きの点では先程説明した支柱も大きな役割を担うが水と棒さえあれば技術も不要で、誰でも手軽に出来る点では水極めに軍配が上がるので植える際には必須で行いたい工程となる。
石の根回りに石組みを行う。
⇗右上画像、樹木の根回りが一段高くなって植えられている。高植えと言う。植える際にも前述したが土に保水と排水、保肥が良好だと樹木にとって良い環境となる。
しかし、厄介なのが排水さんである。保水と保肥は文字からもわかる様に水と肥料を保つという事だ。だが、排水は真逆で水を保たないという事になる。つまり水は保持しつつ適当な量になったら放流、排水と言ったまるで人工的なダムの機能が必要とされている事になる。そこで排水を確保するために本来の地盤より高い位置に植え自然に排水が促される高植えを行っている。
高植えは年月と共に土が雨で流れ、崩れやすい一面があるので石を組んで土留めを施す。
石を組むことで隙間を減らし表土の露出を減らす。雑草対策もあるが景観としての要素も大きい。
石ばかりだと色合いが一辺倒になるので宿根草や下草等あしらいたい。斜面に伸ばした根が土の流出を抑制してくれる効果も期待できる。
マルチング材を使ってその他の部分に敷きつめ。
これにて完了。