新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事!第193庭 丘テラス Reno2

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前回、テラス造作を開始。素材にもこだわりたいと庭石を県境の採石場で探したがサイズが大きい物ばかりだった。そこで急遽、置き場に持ち帰り矢穴をドリルで穿ち、セリ矢を使って石を割る事に成功した。
前回ご覧になっていない方⇒こちら
今回は割った石を運び込んで丘テラスの仕上げを行う。



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現場を一度離れたので改めて工事前から。

⇑画像、車庫コンクリートの奥に芝が張られている。
⇗画像、その芝の奥、後方にある砂利スペース・奥庭が今回の主戦場となる。

因みに前庭(コンクリートのすぐ後ろ)も同時進行で工事を進めているが分かりにくくなるので今回は奥庭にしぼって工程を進める。
次回、前庭を紹介したい。
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全体の中心となるテラスから着手。
⇑1)画像、下地に砕石を盛り下地の嵩上げを行う。
⇑2)イメージ画像。一般的にテラスは建物脇に密接させて設置する場合が多い。住宅と隣接、空間の延長として利用できるのが特徴。
⇑3)今回は独立タイプのテラス。より庭のシンボルらしく高低差を設ける為、盛った下地に合わせ更に底上げ用のブロックで囲う。ブロックが硬化した後、石畳風のテラスがその丘の上で仕上がる。
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⇑左上画像の赤矢印が仕上がったテラス。盛り上げた為に手前側の元々あった既存の芝と高低差が生まれる。そこで既存の芝を剥ぎ、その部分になだらかな傾斜を設けながら盛り土を行い芝の復旧(白線)、まだ一部分のみ。
⇗右上画像、全面的に芝の張り替え、もちろん芝は既存の物を使って再利用

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庭木搬入。
大きさや種類も様々なので、植え場所の近くに並べていく。
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庭石設置、前回の主役。
庭石の形はもちろんだが色味もポイントの一つとされている。軽い物では無いので、設置しやすいよう事前に見当を付けて石にワイヤーを掛けたい。
それでも「いざ置く」となった時、確認とベストを求めて石の裏面を再び確認する事も。
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最終的にこの形で設置。
やはり石は小さく見えても重い。密着させてしまえば簡単だがぎりぎり触れない所。

修業時代、様々ないろはを指導してもらった。例えば「四ツ目垣の胴縁に使う末元は交互、そして上から順に取り付ける」といった手順通り、要点を押さえた作業で完結するものだ。決まった工程は重要でそういった決まり事は国家試験が基になっている。
しかし一般的な庭の仕上がりはバランスやポイントの色味や形、枝のしなり具合など見映えに直結するものは感覚で左右され模範はあるが正解は無くアーティスティックな一面に委ねられる。そういった具体性のない不確かなものに翻弄され考えすぎてしまう時もある。

「人間失格」等の代表作で知られる太宰治氏の「笑われて笑われて強くなる」という言葉を聞いた事がある。
もちろん我々職人が手掛けたものが本当に笑われるわけにはいかない。しかし、言葉の通り己の体裁は気にせず努めたい。元々、雑草じるしの由緒正しき団地の出なのだ。
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石に合わせて庭木を植えていく。
石と同様に植木の向きも考慮したい。見栄えで見比べるのだが植木一本一本に表と裏を決め、表を目立つ方に向けて植える。
今回のケースでは植える場所が中央に位置する為、どこからでも目立つと言えるのだが最優先は来客のある入口・玄関口からとなる。
⇑右上画像、多少落葉した樹もあるが玄関方向に向けて複数の樹が一つにまとまり扇状で広がる様に見立てて配置。
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それぞれの予定位置、順々に設置・植樹。
調整や確認も一つ一つ行いたい。

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庭石といえば最初に設置した庭木と併せて添える置き石が一般的だ。しかし和庭では踏み石や飛び石といった一定の間隔で通路に置く物もある。
冒頭でも記したが今回の庭石はこちらで割っている。その為、大小の不特定多数になったが小さい物も余すことなく持ち込んでいる。もちろん全部使いたい。予定には無かったが丘になっているテラス脇の斜面に踏み石として設置。
諸々の石・植栽が済んだ後、事前に埋設していた電線・ライトを点灯させ光の具合を調整。
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住宅部リビング窓側のテラス階段にはバー状のLEDライトを忍ばせる様に設置。
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丘テラス、これにて完成。
今回は新潟県産の自然石に我々の手で自然風な加工(石割り)を行って用いた。それが周りに囲まれるように鎮座している、まるで短期間に出世したようだ。
当方も体裁など気にせず笑われて昇格とあやかりたい。
とは言え、そもそも小さな庭屋なのだが。

次回、続編となる前庭。

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