新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第185庭 玄関前に小さな自然

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今回の現場は家に対して正面、玄関前にあたる前庭。
山採りの広葉樹を中心に植栽を行う。
手掛けるのは道路から住宅部までの細長いスペース。住宅を背に区切られた空間に自然を設ける。
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土砂を掘削後、植栽用の庭土を搬入。

スペースの活用法は様々ある。
西洋庭園で多く見られる整形式の花壇。きれいに並べ植えするもので多くの植栽を植えられる特徴がある。
我らが和庭はどうであろう。日本庭園の技法の一つ高低差をつけるやり方がある。土を盛り植栽する。盛った土は雨水などで流れやすい為、石や低木を配置し土留めする。また、それが加えて起伏となり全体のボリューム・層の厚みといった立体感に富む空間を形成する。
国土の75%が山地の日本、山の自然に近づける為の工夫となっている。余談だが今回用意した立木の多くは山採りを集めている。
画面⇗右上、土盛りの打合せ・段取り。

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土に堆肥を混ぜ土壌改良を行う。
⇑画像内、奥側の黒い資材はバーク堆肥、手前の茶色い物が牛糞堆肥。土にそれぞれの堆肥を混合させるのだが役割に多少違いがある。
バーク堆肥は樹皮を発酵させたもので植物性。土の排水・保水・保肥力を向上させてくれる。厳密にいえば違いはあるが腐葉土みたいな物を土に混ぜていると考えれば分かり易いやもしれない。
牛糞堆肥は字の通り動物性。こちらも排水・保水・保肥力を向上させてくれる。巷ではバークと比べれば肥料分が高いと言われるがあるネットでは元々成分は差ほど多くないとある。

当店は牛糞は早く効きバークは長く効く事から二つの堆肥を混合している。
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クレーンで植栽のつり込み。
人力で移動できない大きさ・重量なのでクレーンを使用するのだが外壁に近い位置での操作で緊張感が漂う。
周りに不安を拡げない様に表情は軟らかくと思っていたが後にいつもと顔が違ったと言われ、背伸びはばれていた。
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続いて庭石も吊り上げて設置。
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植栽の養生に地下支柱を行う。
樹の根回りに杭を打ち、根ごと紐で結び固定する。土より飛び出た部分の杭は後に切断。
本来支柱は根が伸び活着する迄の仮設として設置する。その為、仮設状態の期間は見た目に難がある。
そこで景観を重視した形、植栽に地下で支柱を行い土内部で完結する。
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ライトアップ用の電線管を埋設。
最終的に下草や低木を加える、植木は根を伸ばすのでメンテナンスも加味し電線管は壁際に這わせている。
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前庭から奥に続く車庫部に木枠を組み土間コンクリート打設。
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コンクリート硬化後、通りに面した位置に石を敷設。
石畳は紀元前のヨーロッパで馬車の利用に伴い普及したとされている。時代の移り変わりと共に現代は車社会だが今でも石畳の優れた景観は変わらない。
自然の石が整然と並ぶ姿が重要で凸凹があってはよろしく無い。敷石の下に敷いた砕石は十分に転圧がかけてあり車などの加重を分散し敷石を支えている。
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足元に低木や宿根草をあしらい全体の彩りを増やす。
たかが足元と言われそうだが色の印象とは不思議なもので上下ともに緑がある事で見栄えが格段に良くなる。
現実的な事を言えば高木よりも低木や下草は当然価格は控えめになるので、今ある庭に一味加えたい場合等はまずは低木や下草から検討する事をお薦めしたい。季節によって変化する落葉なのか常緑なのかの確認も行うと良い。
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これにて完成。

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