新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第184庭 人造石洗い出し仕上げ・アプローチ駐車場

その昔、ノミを使ってこつこつと削り出していた自然石の彫刻に対しセメントに様々な色の種石を混ぜて塗り付け、表面のセメントを洗い種石を浮き上がらせザラザラした自然石の質感を創りだした。
人造石だ。
ついた名前が人造石洗い出し仕上げ、通称「洗い出し」である。
その結果、それまで石屋さんがノミで行っていた彫刻などの仕事を、左官職人がコテを使って肩代わりすることができるようになった。
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今回の現場はアプローチ兼駐車場の洗い出し。
予め土砂の掘削・搬出、砕石敷き均しを行っている。

まずはキューブ型のピンコロ石を並べ、洗い出しを行う箇所の縁取り・目地割りを行う。
あまり知られていないがセメントは乾燥収縮によるひび割れが生じやすい。そこで縁を切り範囲を区切る事で予防を行う。
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ワイヤーメッシュを骨組みとし下地コンクリートの打設。
洗い出し箇所は駐車場としても使用する為、強度のあるコンクリートを準備。予め下地は洗い出しを行う為の厚み分、下げて均しを行っている。
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下地コンクリートとの接着をモルタル(セメント+砂+水)任せにするのはリスクがある。モルタルの接着力は一般的なイメージ程強くない。
そこでタイルの接着等にも使われるセメントペースト(セメント+水)に樹脂接着剤を加えた接着ノロを準備。ペースト状のネタを下地コンクリートに擦る様にシゴキ塗りを行う。これが下塗りになる。
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ペーストと言ってもセメントの配合が強いので硬化反応も比例して速い。反応により乾きが進み接着力が半減する(ドライアウト)のでペーストのシゴキ塗りに追っかけでモルタル(中塗り)を被せドライアウトの予防に注意したい。
気温が高い時期は反応スピードは更に顕著に表れるので、接着ノロ・モルタルは予め準備を済ませておきたい。詰まるところ時間勝負なのでバタバタしやすいのだが、余裕の無い時ほど表に出るのが地。慌てず騒がず動きは無駄なく。
⇗右上画像は今回使用する洗い出しの砂利、大磯サイズ三分(約1cm)上塗り。
仕上がり高さは最初の工程で紹介した縁取りのピンコロ石になる。被せたモルタルをピンコロ石と同じ高さにすると最後に投入する大磯の体積の分、お相撲さんが入るお風呂の湯船のように溢れてしまうのでやはり加減しておく必要がある。今回の3分砂利の場合、半分の1.5分。
つまり中塗りモルタルは下塗りが乾く前に手早くピンコロ石より4.5mm下げで平坦に均しておくのが最適解となる。
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いよいよ上塗りとなる大磯の砂利撒きを行い鏝(コテ)での均し込み・叩き込み。
鏝で砂利を均しながら又は叩きながらモルタルに埋め込んでいく。最終的に砂利の表面が浮き出る仕上がりとなるので砂利の凸部分を寝かせる様に沈めると良い。
中塗りモルタルの硬化が進むと砂利が沈まず「叩いても叩いても・・」となるのでやはりここも準備を整え手早く行いたい。
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いよいよ名称にもなっている洗い出し仕上げ。
言葉通り表面に水をかけて洗いながら仕上げるのだが当店はスポンジを使って洗う。水をかけるのは良いが洗い流れたすべてがセメント汁で汚してしまうのは昔と違い現代に適していないのがシンプルな理由だ。
バケツに水を溜め、そこでスポンジを洗う。洗い水は下地砕石に流すか、用意した濾過用の砂に流せば問題はない。
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土間コンクリートや門柱・植木その他の諸々を済ませ
これにて完成。

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