新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事!第186庭 石積み花壇(小端積み)
今回の現場は石積み(練積み)による花壇製作。
既存の車庫が有り、その奥と脇部分に花壇を設け庭づくりを行う計画。
⇑⇗画像は車庫奥側。
初手は石積み部分の掘削から。
⇑上画像こちらは既存側面部分。
こちらも掘削後、基礎の鉄筋を準備。
ベースのコンクリート打設を行った。
⇗右上画像、今回使用する石。
ブラウンカラーが主立っているが自然石らしい青みも加わっている。アクセントのように濃い錆び色の部分もある。
面積の小さい側面を見せて積み上げる小端積み。
隣の石と組み合わせる為に玄翁(ハンマー)で形を整えながら積み並べていく。
石積みには石をそのまま積み上げる空積みとセメントを使用した練積みがある。
国土交通省が発表した石積み構造物の資料では勾配が1割未満の物は練積み、超える物は空積みと練積みを状況により使い分ける事が出来ると記されている。
代表的な石垣と言えば天守閣などの築城技術が大きく発展した安土桃山以降に建てられた城郭によく用いられ、国土交通省のいう1%勾配の是非は定かで無いが緩やかな勾配の石垣が印象的だ。もちろん時代的にセメントは無いので空積みなのはご存じの通り。
今回の花壇ではセメントを使った練積みを行うが石を組む点では空積みと変わりは無く、組み合わせが要になる為、⇑画像ではセメントは使わず石を仮置きし石の形を確認しながら積み具合を確認している。
積み方には様々あるが二つの石にまたがる様に石を積むやり方がある。
人間同様、胴体を支えるに一本よりも二本足の方が安定しやすい。二つの石の上に積むのは良いが左右の高さが違う場合がある。そのまま積めば高低差がある為、石が斜めに。そして石と石のズレが大きい分だけ目地が広くなる。石と石の隙間埋め、即ち目地にはセメントを使うが、目地幅が広すぎずセメントより硬度のある石同士の設置面が多くしっかり組まれている方が良い。
⇑上画像、石同士の形に合わせ墨入れ。
⇗右上画像、石の形に合わせ加工を行う。
⇑画像、加工した石を仮置きし確認。
その他の石の加工を行い全体の準備を調える。
⇗画像いよいよモルタルを使っての積み上げ。
石の積み上げ後、目地のセメントモルタルの硬化を待ち目地処理。
目地際のセメント汚れは水に濡らしたちり帚等を使って清掃を行い、石の風合いを損なわない様にしたい。
前日に行ったビニール養生の撤去。
季節は春先だったが日によって早朝の気温が零度を下回る時もあった為、セメントモルタルの凍害防止に前の晩ビニールで囲っていた。
植栽やその他の工事を行い、これにて完成。