新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第180庭 タイル門塀 仕上げ編

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前回、タイル門塀の下地となる基礎やブロック組積を職人目線で紹介した。
確固たる土台・基礎があってこそ、仕上げが輝ける。目立たない部分だが重要度は高い。土台の工程・隠れてしまう前の内部を覗いてみるのはいかがだろう。
前回の基礎・下地編⇒https://www.rurban-t.com/shokunin-179.



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↑↗何の画像だと思われるやもしれない。
前回行った下地のブロックにアルミ製の定規をあてがい歪みや凹凸等のいびつ具合の確認を行っている。
結論から言えば良い精度で組積できていた。もし、定規とブロック壁体の間に隙間があれば歪んでいるという事になるが、ピッタリ合わさっている。
一般的にタイル貼りの前にタイル下地’(モルタル等を塗り被せ平滑に壁体を被う作業)をとる。ブロックの僅かなズレや壁体の歪みがある状態でタイルを貼ると遠目から見ても凹凸が目立ってしまうからだ。ましてや大判タイルのような広く平滑な仕上げにズレがあれば、見た目に膨らみや凹みが顕著に表れる。しかし、歪みや凹凸が無ければ必要性がないので当然行わない。

誤解が無い様に説明したいが今回は上手くブロックが積めたので工程を省いてタイル下地をとらない訳では決してない。後々、剥離のリスクになり得るタイル下地を取らなくて済むように精度を意識し予てよりブロックの組積に取り組んできた。
何故か。
接着剤等もあるがタイル下地のモルタルは一般的に思われている程、接着力は強く無い。更にそこにタイルが貼られれば自重以上の重さを背負う形になり剥離のリスクは倍増する。もちろんすぐにはならない、時間をかけゆっくりと進む。
住宅の基礎は以前、モルタル塗りが一般的だったが令和の今、多くの住宅では弾性があり接着力が高い樹脂材による塗装に変わっている。

そもそも前回の基礎・下地編で一般的に門塀は分業による職人同士のリレーで手掛けられる小話を紹介した。つまりブロック職人とタイル職人がいて昔からある由緒正しいタイル下地をとる工程はごくごく普通の事。
これは分業をせず長年携わった職人による一貫した門塀づくりへの工夫になる。
因みに国家資格になるタイル技能検定は3級からあるが1級になると貼るだけでは認められない。ブロックやレンガで自ら下地を製作し、貼り付ける事になっている。
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今回使用する600mm×300mmの大判タイル。

⇗右上壁体の寸法に合わせ事前にタイルのカット加工を行っておく。
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いよいよメインのタイル貼り。
もちろんタイル下地はとらずリスクの少ない直貼り。

貼り付け材は一般的な圧着貼りでは無く、壁体・タイル両者に塗り付けてから圧着させる改良圧着貼り(工法)。正確には大型タイルに適した下から順に貼り込む改良積み上げ貼り。更に専用の振動工具(ヴィブラート)による密着工法も加えて行う。どちらも接着力に定評がある工法に加え、平滑な壁体への直貼りなので良好な接着が行えていると言って過言ではない。
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一つ目を終え、二門目の貼り付け。
タイル同士の隙間には目地の幅が均一になる様にスペーサーをかましている。
門塀上部、横に伸びた凹みニッチ部分にはタイル貼りは行わず、石貼りを行いデザインの変化を設けている。
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目地入れ。
タイル同士の隙間、目地に目地材を上に下に擦る様にゴムゴテを走らせつつ奥深くまで入れ込む。左上画像タイル目地の汚れでくっきり見て取れるが、タイルは半分づつずらして貼るパターン、馬目地又は馬乗り目地等とも言う。
固めに絞ったスポンジで汚れを残さず、しっかり拭き取りを行う。
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門塀の天端へアルミ笠木の設置を行う。
コンクリート用のドリルで穴を穿ち、ビス止めによる固定を行う。
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石貼りを行う。
先程の工程でタイル貼りを行わなかったニッチ部分に石の方型乱貼りを行う。乱貼りと違い大小切り加工された石の集合体なので石といえども比較的に整った形の石貼りになる。
石は加工品と違い厚みもあり重い、タイル以上に力が入る。
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貼り物での注意点
1、剥離のリスク。
2、1を復唱。
タイル貼りで説明した石、壁体どちらにも貼り付け材を塗った改良圧着工法、そして振動工具による密着工法を併せて行う。
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その他のアプローチやライトアップ、植栽・石等を行い庭部分の総仕上げ。
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これにて完成。

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【越後職人宅の庭づくりをスライドショーで紹介】