新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第169庭 冬囲い・雪囲い

冬囲いは庭木の倒木や枝折れ防止、冬の寒さ対策のために行う。
近い言葉に雪囲いがある。こちらは雪から家屋を守る意味合いも含まれているらしい。いずれも雪国ならではの言葉だ。
冬囲いの中でリンゴ吊りはご存じだろうか。リンゴの実の重さから枝を守る為に行った技法に由来するもので兼六園の雪吊りと言った方がピンとくるかもしれない。毎年ニュース等で見られる代表的なもので柱の先端から各枝へと放射状に縄を張ったものだ。
毎年当店の樹木達にも冬囲いを行うが昨今の暖冬傾向もあり昨シーズンの様にほとんど積もらない場合は「折角やったのに」と変な気持ちになってしまう。それならば今年は積もって良かったねとは思わないのだから我ながらややこしい。
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今回の現場は当店での冬囲いを行う。よろしければご家庭でも試して頂きたい。
庭先で「ややこしい」とならない範囲でご紹介。
紹介する画像順と当日行った作業順は異なるので画像から相違点を見つけられた場合はご内密に。


まずは手軽に出来る「小しぼり」。
主に低木に行う。縄でしぼって結ぶだけだがシンプルイズベスト。大部分の植木がこのしぼりで雪から守られるので特におススメしたい冬囲いの一つのやり方。造園では結びは強度が強い男結びで行うのがセオリーとなっているがご家庭ではきつめの玉結び2回でもよい。
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次は高木に行う「大しぼり」。
何段かに分けてしぼりを行っている。寒さ対策にコモかけや防風ネットを巻いて行う場合は複数人で行いたい。
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大しぼりの様に何段かに分けて結ぶのもよいがコニファーの様な樹木は螺旋状に巻き上げながらしぼるやり方もある。
短時間で簡単にできるので枝の張り出しが短い樹木の場合等に試して頂きたい。

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竹を支柱で使用した「三つ又しぼり」。
小しばりとの違いは雪の重みを支柱によって分散し、倒木に対してしっかり目に行いたい樹木用となる。
景観の観点から見栄えを考慮して目立つ部分等に行うのも推奨したい。竹にこだわらず他の支柱で代用も可。いずれにしても支柱の結びは緩みやすいのでご注意。
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しぼりづらい草花や低木は「棚囲い」。
杭を土台に長木を通し竹穂や板をかぶせ、屋根付きの棚状に囲いを行う。
作業的には手間もコストもかかりハードルは高めになるが見た目は一目瞭然。
玄関前、冬季期間限定の遊び心におススメしたい。部材はそのまま来シーズンに使いまわせるので廃棄する事なく取っておきたい。

シーズン前に行った冬囲いがシーズン終盤のご紹介になってしまい季節外れのややこしやとなってしまった。しかし冬囲いはまぎれも無く雪国に伝わる先人の知恵。冬前になったら縄を片手に一日越後職人となっていただきたい。

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