新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第157庭 門壁笠木 

ミシェランガイドをご存じだろうか。
世界各国の飲食店や宿泊施設を格付けと共に紹介している赤い表紙のガイドブック。その新潟版が5月に発売されると耳にした。
TVでしか見たことがないのが正直な所だが有名な本に郷土が紹介されると思って勝手に喜んでいる。しかし、ここに至るまでには多くの宿泊施設や料理人の方々の積み重ねがあり、そして評価に値する価値が認められての新潟版発行なのであろう。

同じ新潟で今日も頑張っている人がいる。我々庭づくりの職人も自己の研鑽に努めたい。

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アルミ製笠木 (展示場)
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FRP製(木目調)笠木 (展示場)
エクステリアで笠木と言えば汚れや劣化の防止役として多くの商材がある。
昨今の主流となったオープン外構(高い壁で囲わないすっきり重視の洋風庭園)の玄関前では家の顔役を担う門壁や門柱等でデザインに合わせた様々な笠木がみられる。

今回の現場はそんな門壁の笠木取り付けを行う。
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ブロック壁の上部にネジ式固定で笠木の取り付けを行う。
前段階として注意したいのが壁体のブロック積みにある。それは最上段での横鉄筋敷設の位置がズレると固定ネジと接触し取り付けが行えない。エクステリア業界ではブロック職人とアルミ職人で分担して作業するケースが多々あるので笠木の取り付けネジをブロック上部に打ち込むと鉄筋に当たって問題になる場合も珍しくない。
国家資格であるコンクリートブロック技能検定では縦・横の鉄筋位置はいずれもブロック空洞部内中心と定められているが縦、横が交差する場合は縦鉄筋を優先して中心に配置する事が決まっている。
つまり横鉄筋はブロック壁の中心の縦鉄筋より少しずれた位置に配置されるのだが、そこは笠木取り付けネジと僅差で交差する位置にもなっている。ここでは横鉄筋の位置をしっかり計測、僅かにかわした位置で針金で結束固定しモルタルをかぶせブロック壁上部を仕上げていく。


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掘削
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砕石転圧
ブロック壁、上部鉄筋に被せたモルタルが硬化してから笠木取り付けを行う。
強度がでるまで左右のブロック壁中央部分にアルミ柱の取り付けを行う。
まずはダブルスコップを使って掘削を行うが画像の穴掘り、土中部分に横鉄筋が見えるのは予めブロック壁の基礎工事段階で鉄筋を基礎コンクリートからだしてアルミ柱の固定コンクリートに絡め強度向上させるために配置したもの。
掘削後、負荷の分散効果のある砕石を入れ転圧を行う。
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アルミ柱
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引き抜き防止鉄筋
アルミ柱の準備として卓上のこぎりを使い所定の長さにカット。
柱の根本部分はコンクリートで固めるのが通常だが、更なる定着と引き抜き強度向上のため鉄筋棒を取り付け、動かないようにテープで巻いている。
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コンクリート打設
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墨出し
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ドリル穴
モルタルが硬化したので、いよいよ笠木の取り付け。
初期工程で記載した取り付けネジの位置確認を行い墨出し後、ドリルで所定の深さまで穴あけを行う。
モルタル上部から2.5cm下付近に横鉄筋が配置されているはずだがドリルを深く入れても淀みなく回転しすべての穴を穿つことができた。

横鉄筋の配置はずれなかったようで、確認はしているものの実際ドリルを入れるまではどうなるか分からない。厳しい中にもちょっとした喜びがモノづくりの良さなのかもしれない。
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プラグ差し込み
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ベース、ネジ固定
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笠木ベース
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笠木取り付け
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笠木裏側から確認できるが、笠木本体・ベース双方の爪部分を合わせてからパチリと言うまで押し当てて固定。

今回施工した笠木は従来のものより垂れ部分が少ない(厚みが薄い)ことでスリムなデザインが特徴的に感じられた。
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これにて完成。





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