新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第156庭 タイルテラス

令和2年はどんな年になるだろうか。
去年、登山靴を初めて購入し魚沼3山の一つ越後駒ケ岳に登る事ができた。越後駒ケ岳駐車場は県外ナンバーのたくさんの車で満車状態、大変な人気で同県民として誇らしい気持ちになった。雲海・滝雲、そして山頂から見える素晴らしい魚沼の大自然、今年もあの絶景を眺めに行きたい。
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今回の現場はタイルテラスをメインにした前庭(ぜんてい・建築物の前にある庭)。フロントガーデンと言ったほうが分かりやすいやもしれない。
まずは玄関に続く通路と庭の区切りにも一役を担う門壁のブロック積から開始。
右画像、ブロック門壁左側上部からでている白い菅は表札のライトアップ用電気菅。右手側の地中部分から配線しブロック内部を通している。画像から確認できる部分もある、設計強度が保たれるよう鉄筋やブロックジョイントに係わらない位置に通している。
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門壁を仕上げた後、メインのタイルテラスを手掛ける。
タイルの下地コンクリートの準備として仕上がり高さを確認し掘削、残土搬出、砕石路盤、転圧、テラスの寸法に合わせて枠組み、ワイヤーメッシュ設置、結束、の流れで行う。
庭では重機を入れられないケースが多くそのほとんどを人力に頼る。中でも初期作業となる掘削つまりスコップでの穴掘り、一輪車による搬出が地味だが時間がかかると同時に苦労も多い。仕上がり高さ、テラスの水勾配、コンクリート高、砕石高、に見合った高さを算出して㎜単位で掘削を行う。地中からまるではい出したように出ている白いライトアップ用の電線管も事前にこのタイミングで布設を行う。地味と言えば傍目には分かりづらいがコンクリートの骨組みとなるワイヤーメッシュ(溶接金網)を敷きならべる際に一枚一枚を鉄筋太さに見合った寸法を重ね合わせズレないように結束することでコンクリートのひび割れ防止強度が保たれるのでしっかり行いたい。
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下地コンクリート打設。

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打設したコンクリートの表面を平滑にするためモルタルで均す。
下地にはモルタル接着増強剤を塗布し手早くモルタルをかぶせ均しを行う。タイル寸法で糸を貼り平滑なモルタル上に貼り付けモルタルを櫛コテで均等に配る。
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細やかに振動するタイル専用バイブレーターで圧着しながらタイルの貼り付けを行う。
このバイブレーターで圧着すると貼り付けモルタルが液状化を起こし余分な貼り付けモルタルがタイル脇からあふれ出てタイルを汚すので貼り付けモルタルの量の加減が肝となると教わり、長年準じてきた。機会があれば他所の職人さんの仕事を伺ったりさせてもらうがやはりギリギリの量で貼り付けを行いタイルを汚さないようにされているようだ。
しかし、そのギリギリの量に疑問が生じる。もしギリギリより少しでも少なかったら、その部分は接着されていない。
答えはもちろんタイルの裏側で行われている事なので本当にギリギリの状態かはわからない。そこでギリギリの量で貼らず必ず多めに貼り付けモルタルを配布し圧着する事にした。当然、脇からモルタルがあふれ出てタイルを汚すが構わず多めにする。
余分に入れた分の圧着、汚れの清掃に手間がかかるがどんなにきれいに仕上げても接着が甘く剥離してしまっては元も子もない。
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今回使用するタイル。正方形が2種類とラインでいれるボーダー型の3種類。
右側画像、接着の要、貼り付けモルタルが塗られるタイル裏側。剥離しにくいように設置面積を増やすため均一な凹凸の加工とイタリアンタイルの刻印が施されている。
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貼り付け後ゴム鏝を使って目地入れを行い、念入りにふき取りを行う。今時期は硬化に時間がかかるので心配も少ないが気温の高い時期は目地材の硬化が急速に早まりふき取りが難しく仕上がりが悪くなる場合があるので分割で行うのも良い。
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その他の部分も仕上げ最後にレンガチップ。

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これにて完成。

南魚沼で季節外れのフキノトウを摘んでいる方の記事が、ある新聞に掲載されていた。早めの春の味覚を喜ぶ半面、自身の会社で冬場の除雪が少なく出動したのは一回だけで影響は大きいとも書かれていた。同じ建設業、私たちも機械を使う時もあるが、大きな重機等は維持費も大変であろう。
対岸の火事とは思えない。上流で流れが滞れば必ず下流も後に滞る。難儀な年の始まりかもしれないがフキ味噌の苦味のようにさわやかな後味となるよう願いたい。
越後職人が手がけた
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【越後職人宅の庭づくりをスライドショーで紹介】