新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第147庭 花壇の植栽と芝

新元号発表の日、人づてに新しい元号を聞いて文字はこちらの「礼和」だと思ってしまった。今となっては誰かに勘違いを伝えずに済んで胸を撫で下ろしている。5月になれば平成も過去のものになってしまう。今まで平成っ子に昭和世代と揶揄されたがそれすら懐かしい記憶になっていくのかもしれない。子供時代を過ごした昭和の新潟市内は幹線道路以外まだ砂利道が多く、木の電柱に蝉が同化するように留まっていた。昭和最後となる64年の刻印が刻まれた10円硬貨を暫く大事にとっておいたのだがいつの間にか見当たらなくなった事を思い出した。
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今回は花壇に植栽で彩りを入れ床面には芝張りを行う。前回の「控え壁を門柱に」で紹介した庭のつづき。まず花壇の中心に主軸となる植木の掘削から手掛ける。
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準備した背丈のある立ち木は1本で、あとは宿根草を多めに入れて彩り豊かな花壇に仕上げていく。アクセントに白の石を一つ用意した。
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掘削した底に元肥をいれる。樹木の根が肥料やけしない様に深めに掘り土をかぶせて根から少し離しておく。
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植物用保水材とバーク堆肥を土に撹拌。いずれも水・養分の吸収を促す根回りの環境改善となる。
バーク堆肥は以前からある物だが植物用保水材は近年実用化された。ニュースなどでも紹介されていたが保水材を根の周りに入れる事で水分供給が効率的になり大きな成長促進につながるとの事。


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撹拌した土を使って根回りにかけ植える。
立ち木の多くは大事な根が崩れない様に麻の紐や布を使って包まれ、そのまま植えられる。天然素材の麻は伸びた根を簡単に通し時間と共に土に還る。
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宿根草を仮置きし花壇全体のバランスを確認。
宿根草等で使用されているポッドの多くは根が飛び出さない様につくられている厚手のビニール製なのでこちらはポットから取り出してから植える。
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続いて芝の張りこみ。
目地(芝と芝の間隔)を設けないベタ貼りを行う。一面の絨毯として早く生え揃う利点がある。
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僅かな凹凸を無くし育成を促し見栄え良くなるように転圧を行う。
芝は全体に生え揃う事で綺麗に仕上がるので成長のムラ無くす為、全体に転圧をかける事で水が滞る凹凸を減らす工程。
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目地・床砂を入れレーキで全体を均す。
転圧を行い、さらにレーキを使って均す事で窪みを埋め平坦に整地する二段構え。芝の環境を良くすると共に必須となるその後の芝刈りがやり易くなるので転圧と床砂の整地は特に重要な工程となる。
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散水を行い、芝の凹んだ部分に水と共に砂が流れ込ませた。はた目から見ると軽く芝が埋まっている状態だがしっかり仕上げている。
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これにて完成。
植栽の手入れは時として億劫な場合があるいう方はいらっしゃる。好きか嫌いかの問題ではなく日々の仕事や家事の中でやらなければいけない事を少しでも減らせるならそれに越した事は無い。そう言った中で植栽を限定できる花壇は効率的だ。広く分散せず苦にならない範囲内の花壇に集約し植物を通して成長や季節を楽しむことができる。今回植えたメインの立ち木は御覧の通り落葉で雪対策の冬囲いも必要としない、気になる場合は簡単に束ねて縛るだけで済む。
子供の成長と重ねては大げさだがこれを植えた時、「誰々はまだこんなだった」と言えるほど植物は長生きする。平成の終わりに植えたこの子たちが新しい時代でも長らく、そして彩り良く育つ事を願いたい。
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