新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第103庭 玄関前の門壁 モザイクタイルと装飾性塗り材での仕上げ 「前」

門壁 モザイクタイル
夏の暑さが堪える。先日、新潟県の上越地方で38.5度を記録、その日、日本で一番暑かったとニュースで流れた。突然の暑さに熱中症になった方もいたのではなかろうか。新潟市内はそこまでの気温はなかったが汗を滴らせながらの一日となった。
暑い時はセメントが固まりやすい。水分がすぐ無くなってしまうからだ。水分含有量がすくなくなるとセメントの接着力は著しく低下する。タイルや石製品を壁面に貼りつける場合、セメントを接着剤として使われる事はかなり多いと思う。貼りものは接着が弱いと簡単にヒビが入る等の弊害が起こる。気温が高い夏場は特に注意したい。「乾きやすく注意」で括るのなら、それらを扱う人間も忘れられない。
今回は門壁を仕上げていく。使う材料はモザイクタイルと装飾性塗り材。最初に使うのは一つ一つが小さいモザイクタイル。画像はタイル裏面になるので色合いはない。表面はタイルがバラバラにならない様にシート紙が貼りつけられているので小さな形がわかりやすい裏面の画像を撮った。
門壁 下地ブロック
仕上げる前の下地ブロック。後方に背負う形でやまぼうしが植えてある。
門壁 モザイクタイル寸法
タイル寸法をとる。下地ブロックの表裏、両面にタイルを貼るのだがタイルとタイルの隙間になる目地の太さは2mmしかなく、わずかな寸法の誤差が目地のズレになる。単純な工程だが安直に行うとイージーミスが起こりやすい。
わずかなズレに気付かずタイルを貼り進めると「あれおかしい、ズレてる。固まる前に剥がなきゃ!」っとなる。いかにも初心者が陥りやすい落とし穴的な工程だが仕事を覚えたての頃、当方もよく落ちた。。。
門壁 タイル寸法 墨入れ
下地ブロックに寸法を直接書く。
モザイク 貼り込み
冒頭にも書いた通りセメントの接着力が落ちないよう規定より少し水を多めに入れて練り上げ、手早くタイルを貼りつけていった。
タイル表面はバラバラにならないようにシート紙が貼られたまま。当然、目地ずれの是非はシート紙を剥いでからのお楽しみになる。
門壁 モザイクタイル 目地入れ
完全にタイルが固まってしまう前にシート紙を剥いで目地のズレ確認。
シート紙をそのまま力任せに剥ぐと完全硬化していないタイルも一緒に剥がれてしまうがシートに霧吹き等で噴霧、濡らしてやると簡単にシート紙だけ剥ぐ事が出来る。シート紙を除去し確認を行ったが目地は歪みなく整っており一安心。寸法確認も含め問題なく進めているつもりだが、生まれた時から小心者なので、最後まで安心できない。胃薬の飲みすぎで胃を悪くするタイプと言われ事も。。。
話を戻してタイル硬化後、目地材を塗り入れる。色は白。
門壁 モザイクタイル 目地ふき取り
タイル貼りの最終工程、目地材を手早くスポンジでふき取る。目地材の硬化が進んでしまうとスポンジがちぎれるほど力いっぱい擦る事になってしまうので準備を万全にしてから臨みたい。
昨今の門壁はサイズこそコンパクトになっているがこだわってデザインされている事が多い。つくり手の目線で言えば小さいながらも、とり行う工程は多くミスの可能性も決して少なくない。ミスがないようにとあれこれ考えていると体だけでなく頭も暑くなってくる。小心者は熱中症になりやすいとは聞いたことがないが、考えすぎて熱中症では聞こえも悪い。家に帰って何も考えず普段は抑えている塩っ辛いものでも食べたい。
次回、目地材の完全乾燥を待って塗り剤で門壁の仕上げ。
越後職人宅の庭をスライドショーで紹介


越後職人が手がけた


これまでの仕事が掲載、履歴一覧はこちら