新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第123庭 駐車スペース 石貼り

先日、新潟市主催の国際フレンドシップステージがNEXT21内で行われた。この催しは新潟市政令指定都市10周年として行われたもので姉妹都市等による各文化団の演目ステージが披露された。 お恥ずかしいながら当方、NEXT21にまともに入るのは初。長らく続けられていた民間のショッピングビルとしてのイメージが強かったので、当日ステージ会場の広さに小さく驚いた。席に着いた近くに子供連れの海外の方がいらっしゃった。日本人以外の方と接した経験が少ないので好奇心が膨らむ。そっと様子を伺うと、どこの国でも子供はじっとしていられないらしく母親らしい方が賢明に注意をしていた。やがて幕が上がりロシア・フランス・韓国と各演目が終わった後、拍手をしながら楽しそうに歓声を響かせている金髪の子供達を見ると何故か演者でも無いのに嬉しい気持ちになった。自身が暮らす新潟に海外の方が訪れ、そして楽しく過ごしてくれた事に喜びを感じる年齢に達したらしい。久方ぶりの古町、子供時代が懐かしくなり噴水の横で父にアイスを買ってもらった事がある西堀ローサを通ってから帰った。昔は混雑していたが最近は人もまばらで寂しくなったと聞いていた。噂は本当で本当すぎて驚いた。
下地コンクリート
今回の現場は車庫三台分に石の総貼り。広いスペースに何種類も使ってデザインされた貼りこみなので少し力みながら工事が始まった。画像は事前に打設された下地のコンクリート。この上に石の貼り付けを行っていく。
鉄平石
まず最初に手掛けるのは重厚な色味の鉄平石。断面を見るとそれぞれ厚みにばらつきがある。貼りこみ時に接着モルタルの増減をしながら高さ調整を行い凹凸を朝得ながら仕上げなくてはいけない。
鉄平石2

鉄平石3
手前側、ぴんと張った黄色の糸と水平器を合わせながら高さ調節し貼りこんでいく。駐車場の貼りこみは1t以上もある車の荷重がかかるので接着が甘いようだと剥離の心配が残ってしまう。モルタルの水調整なども大事になるが接着モルタルの上に石をあてがい強めにハンマー等で叩きながら、より圧着を施しズレなく貼りこんでいく事が重要になる。
石英岩
次に使うのは様々な色合い持った石英岩という石の種類。こちらはサークル型になりやすいように出荷時、扇状に切り出されている。
石英岩2

石英岩3
扇状の石なのだがサークルの形状や目地の太さが均一になる様に調整しながら貼りこんでいく。
石英岩4
車庫中央部にあたるメインサークル。下地のコンクリートは耐久性に優れているが、その反面で水分吸水が激しい特徴がある。石貼りは下地に接着モルタルを使って貼りつけていくのだが下地に吸水された接着モルタルは著しく接着力が低下してしまう。この日は特に気温が高く水分が取られやすそうだったので打ち水をしてコンクリートを濡らしてから石を貼り始める事にした。
石英岩サークル

石英岩サークル2

クォーツサイト
サークルの周りに貼る石をおいて、紐と鉛筆を使った簡易コンパスで新円を描く。白い石に赤の墨がくっきりと目立ってわかりやすい。そのラインをなぞるようにグラインダーを使って削りながら切断していく。人間の目は良く出来ていて直線以上にサークルなどの円形はちょっとしたズレでも目立つ。その為こういったRラインの物はどうしても想像以上に手間がかかってしまう。しかし時間をかけながらも仕上がった曲線の仕上がりは何回つくっても、職人の小さな満足感でしかないが簡単に満たしてくれる。
クォーツサイト2

クォーツサイト3

乱貼り

乱貼り2

乱貼り3
貼り物の最後は乱貼り。石と石のパズル合わせなので寸法やラインのズレ等の問題はなくなる。乱貼りは無秩序な石の連続が理想で大きさや形が揃って貼り付けられるとランダムでなくなってしまうので全体のバランスを見ながら進めなくてはいけない。
白目地

拭き取り
今まで石を貼りつつも要所要所で目地埋めを進めてきたが最後に行われていない箇所の目地埋め工程。目地はすべて白で統一。
仕上がり 縦

仕上がり
これにて完成。
色々な石を使ったが産地もそれぞれでインドネシア・中国・ブラジル・アイルランドと国際色豊かだった。白い目地と各石の相性も良く白目地の人気が高まり続けているのも頷けた。白目地といえば南欧風の代表格でフランスが有名だ。その他にも音楽が盛んな一面を持つ国でもあるが今月末にりゅーとぴあ等で行われる音楽のお祭り、ラ・フォル・ジュルネは新潟の姉妹都市フランス、ナント市で誕生したらしい。新潟は今年で8回目で数日間開催される予定だが会場はりゅーとぴあ以外にも音楽文化会館や燕喜館等でも行われ期間中、古町界隈は人の流れが多そうだ。当方も僭越ながら初めて前売りチケットを購入した。せっかくのGWの古町だ、音楽を聴き終わった後は多少賑わっている西堀ローサを眺めに行こうと思っている。


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