新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第122庭 玄関前ゲート 東西南北、方位をあしらって床仕上げ

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金沢はきんつばとカレーが有名と聞いた。アルミメーカーの工場見学に出向いた時の話だ。どこか美味しい所があればと伺って行ってみると行列ができていた。きんつばは駅内のおみやげ売り場で買い求めたが平日の昼間とは思えない程に混雑していた。日本海側の地方都市として比べられることの多い金沢と新潟だが、金沢の方が一歩抜き出た都市に思えた。「隣の芝は青く見える」と言うが何とも言い難い気持ちが膨らむ。近代的な駅前で犬を散歩させている女性が都会的な美女に、先行く犬からは香水すら漂ってきそうな高級犬にみえた。
下地コンクリート
前回、玄関前ゲートを小端積みの石を貼って仕上げた。今回はその後に打設した下地コンクリートに天然石や砂利の洗い出しで仕上げていく。
サークル 中心点

サークル 墨出し
まずは墨だし。ゲートの真下、サークル型に石を貼るので中心をだしそこにドリルで下穴をあけネジを入れ込む。そこに紐をくくりつけ簡易コンパスにして円を描いた。紐は多少伸縮するので微妙なズレが生じてしまう。わずかでも歪んだ円はじっと眺めるとズレた場所まではっきりとわかるので繰り返し行いズレを修正する。ドリルを使って円の墨だしと聞くと大げさに移るかもしれないがここで真円が描けなければ後々の工程で歪む一方になるのでここは念入りに、そして正確に行う。
自然石 モノトーン

サークル 貼り付け
墨だしを行った円に合わせて100角の石材をモルタルで貼り付けていく。内側3列が白色で外側の4列目が濃い色合いの石を使っている。
自然石 ◇型加工

サークル内部に東西南北の方位を石でつくるデザインになっている。事前に三角形や菱形に石を切断して準備。
自然石貼り付け1

自然石貼り付け2
方位磁石を使って最初に南北の石を貼り付けた。正確に方位を出すのはもちろんだったが用意した三角形や菱形の石がずれたり曲がっていると手間をかけて切断した石が台無しになってしまう。方位に合わせて糸を貼り確認しながらの貼り付けを行った。
門扉 落とし穴
方位石の貼り付けに続いて落とし穴をモルタルで固める。これは風などで門扉が勝手に動いたり開いたりしない様に落とし棒を固定するための穴となっている。
自然石 乱形貼り付け
自然石 乱形貼り付け2
方位石のまわりは砂利を使って洗い出しで仕上げる予定だが貼り付けた方位石と門扉の落とし棒穴が固まるまで時間を置く必要がある。サークルの外回り、天然石の乱貼りをこのタイミングで貼り進める。乱貼りは別名、石のパズル合わせだ。天然石の不規則な組み合わせの中に事前にハートの形に切断した石を4枚並べ、幸せの四つ葉で貼り付けるデザインだ。完成後お客様の家に訪れた方、家の前を行き交う方、このクローバーを見つけた時どんな気持ちになるだろうか。そんな事を考えながら貼り付けていると冷たい風も気にならなくなった。
遊び心も結構だが違う事を考え出すと手元がおぼつかなくなるのが職人の常だ。天然石の高さに合わせた糸をはって合わせながら貼り付けを進めた。
洗い出し 練り込み
モルタルでつけた方位石と門扉の落とし穴も固まり、いよいよ最後の仕上げ砂利の洗い出しに取り掛かる。
まずは砂利とモルタルの練りまぜ。
洗い出し打設
洗い出し拭き取り
練りまぜた砂利入りのモルタルをサークル内に打設。多少時間を置きモルタルが反かたまりになったタイミングでスポンジを使って表面のモルタルを拭うと砂利の表情が少しづつ浮かび上がってくる。早いタイミングで拭き取りを始めると軟らかいモルタルの海から砂利がぽろぽろと取れてしまい仕上がりが悪くなってしまう。逆に遅い場合は砂利の表面のモルタルが硬化してしまい綺麗に拭えずやはり仕上がりが悪くなってしまう。仕上がりのタイミングは口すっぱく、そして厳しく仕込まれた。修業時代が懐かしい。
洗い出し仕上がり
ゲート完成
これにて完成。
鋳物の門扉が大小の親子門扉になっている。個人的に門扉の上部が描いている曲線がお気に入りだ。 しかしその門扉工事の画像が無いのが失策となってしまった。 うっかりは続く。お土産のきんつばも実は一つ少なく買ってしまい家族の分が不足してしまった。家族には頭を下げて許してもらったがイージーミスだけに落ち込みも深い。現実逃避にどこか山歩きでもしようかと調べると、弥彦山の隣、多宝山で近々山開きが予定されているらしかった。山にも春が近づいている。
カレンダーを見れば4月もすぐそこだ。春と言えば庭づくりもメインシーズンを迎える。小さい事にクヨクヨなどしていられない、更なる庭を手掛けて厳しくもしっかり教えてもらった恩に報いたい。


越後職人が手がけた

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