新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事!第187庭 裏庭のタイルテラス Re・ガーデン

タイルテラスにどんなイメージをお持ちか。
休日のBBQや子供の遊び場、日常の洗濯などの多目的スペースが主流だろうか。店舗ではランチやカフェタイムの利用もあるだろう。
少し意外だったのはネットで見かけたものに、「何もせず雑草対策・美観として」とあった。タイルテラスはリビングに隣接して設けるケースが多く、眺め良し・耐久性良しと言って過言は無い。シンプルだが新しい考えだ。
個人的には夜の天体観測。台所や洗面所の様に庭は必ずしも生活に不可欠なツールとする方は少ないかもしれない。だからこそちょっとした遊び心や夢を込めても良い気がする。
それにしても星空と当方の日常を比べれば現実味が薄く、妄想と揶揄されそうだ。

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今回の現場は裏庭のタイルテラス。
既に立派な縁台があり、芝の緑が広がっている。庭の中央部分には背丈こそ控えめだが常緑樹、樫の木が葉を茂らせている。
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初手は芝剥ぎと同時に下地コンクリート分の残土処分。
中央にあった樫の木は活かして再度タイルテラスの横に植え戻したいという事で丁重に掘り起こした。気になったのは気温が高く植木が弱り易い時期になっていたので最善を尽くすという意味で樫の身の丈に比べ、根は一回り以上大きく残し掘り上げる事にした。
良い意味で想定外だったのは根の周りが砂でなく土が強かった事。とかく根を大きく掘るとすくい上げる際に自重で根の釜が割れて崩れるケースもある。根の張り具合もあるが砂はさらりとしている分だけ崩れやすいのだが、土は粘りがあり形が保持しやすいので掘り起こす際には重要となる。
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掘り上げた樫は庭の片隅で仮植。
根崩れしない様に麻素材の紐・布で根をしっかり覆う。もちろん麻は天然素材でそのまま植えた後、土に還る。昔から根巻きに用いられている。
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鋤取り後、コンクリートの下地に砕石を投入し転圧。
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タイル寸法に合わせて木枠を組みコンクリート内部の骨組みとなるワイヤーメッシュを準備。ワイヤーメッシュはズレない様にそれぞれを結束線で縛る。
画面右上⇗木枠で組まれた入隅部に補強筋。コンクリートはこれから振動や地盤の変化で多少なりとも押されたり引っ張られたりの力が加えられる。その時のひずみ、影響を受けやすいのが特に入隅になる。クラック(ひび)が入り易いポイントには補強の鉄筋を追加する事で積極的にリスク回避を行いたい。
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下地コンクリート打設。

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コンクリートには小石程度の砂利が含まれている。タイルを貼る下地にはmm単位の平滑な下地が必要だが砂利が含まれるコンクリートではその精度はかなり難しい。その為、被せモルタルによる調整を行う。
画面⇑白い液体、モルタル接着増強材を塗布しつつモルタルを被せ平滑に均しを行う。
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用意したタイルは600mm×300mmの大判タイル。
タイル半枚ずらして交互に貼る馬乗り目地貼り。上のタイル目地が下のタイルの上に乗る形から馬乗りを想像させ、この名がついたとか。
接着モルタルを櫛鏝(くしごて)を使って等分に配り、バイブレーション(振動機)で圧着貼りを行う。

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ゴム鏝で擦る様に鏝運びし奥底まで目地入れを行う。
時間を置かずに手早くスポンジで拭き取り。炎天下での硬化はかなり早いので広範囲の場合は区切って行う事をお奨めする。
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タイル貼りを済ませ、いよいよ仮植えした樫の植栽。
画像左上⇑、用意した土の上に黒い(右側)植物性のバーク堆肥、茶色い(左側)動物性の牛糞堆肥を混練。堆肥を混ぜる事で土の保水性・排水性・保肥力の効果が高まる。
どちらも堆肥なので効果にそれほど差は無いが牛糞は早く効き、バークはゆっくり効く観点からどちらも混ぜて使っている。手に入らない場合は一方で構わない。その後の追肥だけ意識したい。
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根回りにバークチップ、テラス周りには砂利敷きを行い
これにて完成。

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