新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第166庭 天然石の乱貼りと塗り壁

今回の現場は車庫や芝、アプローチからフェンス、外回り全般を行ったお宅の工事。その中から天然石の乱貼りと塗り壁をピックアップして紹介する。(その他の作業も含めた工事全体のスライドショーは文末に記載)

床の工事は通常最後に行う。床を先に仕上げてしまうと、その他の作業を行う度に汚れ・清掃等が付随し手間がかかるからだ。
しかし、エクステリアのような外工事は天候で工程も変化する。予定していた門壁の仕上げ塗りは雨降りはもちろん躯体が濡れていても行えない。
天気の都合で今回の初手は床工事から。
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床面の仕上げは天然石の乱貼り。
下地としてコンクリート打設を行う。事前にレンガで縁どりし砕石を投入、転圧を行っている。縁取りのレンガにはL型に折り曲げた鉄筋を内部に入れ、そして一方の鉄筋を出している。その鉄筋をコンクリート内部に入れるワイヤーメッシュと結束しコンクリート打設する事で一体化が進む。後々の縁切れやヒビ対策に有意義となっている。
基礎や下地部分の仕事のほとんどが地味で目立たず、着目されづらい。しかし、その一つ一つが実は大きな意味を携え、そして仕上げを支えている。
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乱貼りで使用する白の石英岩。
堆積岩の一種で成分に石英を多く含む。長年かけて堆積した天然の模様・色あいをモザイク画の様に交ぜ合せながら敷き詰め貼り合わせを行う。
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加工されていないので石の形は様々。
ジグソーパズルよろしく形を合わせて敷きつめていく。形が合わない部分はグラインダーを使って切断。乱型の石なので使い方、熟練度で仕上がりに顕著な差が出やすい一面がある。
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石の割り付け後、下地コンクリートに接着モルタルをのせ割り付けた石をあてがいハンマーの柄で上から叩き圧着。
使用するモルタルは水を多めに練り上げれば、下地や石に食いつきは増すが柔らかいので圧着する時に沈みやすく凸凹のある仕上がりになりやすい。水を少なくすれば圧着時、沈みにくいので高さ調整は容易に出来るが、半面食いつきが悪くドライアウト・剥離の可能性が強まる。気温も考慮した適度な水調整を行ったモルタルを使いたい。

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目地入れ、拭き取りを行う。
目地入れは専用のゴム製コテを使い、石に擦るように使うと奥まで目地材が充填されやすく、表面の余分な目地材が残りにくい。スポンジを使っての拭き取りは目地材の硬化具合を確認したい。夏場などはすぐ固まるので問題ないが、この時期早めにふき取れば硬化が進んでいないので楽に拭いやすいが目地材の保水量が多く目地表面の仕上がりが粗目になる事がある。放置し固まりすぎればスポンジが千切れるほど擦る事になってしまう。目地材の締まり(硬化)具合を確認しつつ行いたい。
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好天を迎え、塗り壁を手掛ける。
躯体には予め表面を平滑にする下地塗りの処理を行い完全硬化させている。
まずは塗材専用のシーラー塗り。刷毛でも良いが一定の大きさだとローラーの方が早く塗れる。
塗材は一回目にシゴキ塗りを行い2回目に仕上げ塗りを行う。シーラーも合わせると仕上げまで3回塗っている事になるが毎回乾燥してから次の工程となるので季節によってはかなりの時間がかかってしまう時がある。だからと言って乾燥前に次の塗り工程を行うと不具合の原因となるので時間の余裕をもって行う必要性がある。
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仕上げ塗りはパターン・模様を付ける為に行っている。
一回目の塗りは言わば色付け。2回目は塗材に寒水(乳白色の粒)を混錬した物を塗るので柔らかく、ふっくらした仕上がりとなる。
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これにて完成。

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