新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第139庭 庭テラス 後編タイル

不意に見た長岡花火の生中継に驚いた。8月2日、国営放送で全国に映し出された長岡の花火大会は壮大で同県民として誇らしかった。また、米作りが盛んな新潟県は枝豆栽培にも適しているらしく枝豆の生産量が全国一と紹介して花火以外のアピールもぬかりなく良かった。
個人的にはある民放TV番組で見かけた長岡のイタリアンは新潟とどうも違うという事が最近気になっている。味もさることながら餃子を一緒に食べるという定番も面白い。名物は他にも生姜醤油ラーメン・洋風かつ丼・栃尾油揚げ等もある。最終的にいつもの食欲になってしまったが、いずれにしても出かける理由が増えるのはありがたい。
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前回、下地コンクリートを手掛け100mm×100mmサイズの石で正方形に縁取った後に乱貼りで一部分を仕上げた。
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今回は2色のタイルを使用。石の乱貼りに対してタイルは総斜め貼りで庭テラスを完成させる。
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最初に着手するのは下地コンクリートの上にタイル下地を施す。下地コンクリートにタイル下地?やたら下地が多いと思われるかもしれないがタイルは天然石と違い加工品、つまり人工物なのでサイズは一定に造られている。厚みはほとんどの種類で1cm程になっている。その為、平滑にタイルを仕上げる為に下地もまた高精度で平滑にする必要がある。土台となるコンクリートに順を追って工程を進め、整然と並んだタイルの仕上がりを念頭に置きたい。
タイルは言ってしまえば貼り物の部類になる。貼り物は仕上げの良さが注目されるが注意しなければならないのは裏側にある。なぜならどんなに素晴らしい高級タイルでも剥がれてしまっては見るも無残なものになってしまう。そうならない為にもベースとなる下地に手間を省く余地は無い。

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下地コンクリートにモルタルでタイル下地をとる。
コンクリートもモルタルも同じセメント系になるのでセメント用樹脂接着剤を多めに塗布し、そこにモルタルをコテで手早くなじませ樹脂モルタルを合成。コンクリートにこする様に馴染ませる。
気温の高い夏場は水分が蒸発しやすく特に接着力が著しく弱くなるドライアウトになりやすいので時間をかけずに手早く行いたい。
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喰いつきが良いドロドロ状態の樹脂モルタルの上にモルタルをかぶせてコンクリートとの接着を図る。
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歪みの少ないアルミ製の定規棒を使ってモルタルを平滑に均していく。
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タイル仕上がりの高さにアルミ定規を置いてタイルをあてがい確認。アルミ定規の下端とタイル表面との隙間が圧着セメントの厚み分となる。
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タイルの厚みが1cm、接着使用する為の圧着モルタルが1mmで合計1.1mm。
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水糸と曲がりがねを使ってタイルの位置決め。
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ピンと張った糸に合わせてタイルを仮置き。位置確認の為なのでもちろん置いているだけ。カット加工が必要なタイルは電動工具を使って事前に済ませておく事で本番の貼り付け作業がスムーズに行える。
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いよいよタイル貼り付け。タイル下地に接着モルタルを薄く伸ばしバイブレーターを使ってタイルを圧着貼りしていく。以前はハンマー等で叩きながら貼っていたものだが時代と共に機械化は進む。バイブレーターは微振動を加えながら圧着できるので今や貼り物には必須道具となっている。
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バイブレーターで振動を加えるとタイル脇の接着セメントが液状化を起こし下地とタイルにしっかり定着されているのが見てとれる。
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ゴム鏝を使ってタイルにこする様に目地入れを行う事で奥まで隅々充填。
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硬化が進む前に手早くスポンジで拭きとり。
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2色タイル、総斜め貼りのタイルテラスこれにて完成。
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画像からお気づきの方もおられるやもしれない。天然石の乱貼りで言うなれば内、外に隔てられた白とブラウン色のタイルだが実はどの目地も一直線に仕上げている。水糸と曲がりがねを使っての位置決めの際に配置予定していた。
そこにどれ程の具体的利点が?と思った事が無いわけでもない。しかし、そんな小さなこだわりを拠り所に夏冬を超えて今まで現場を続けてこれたような気もする。
小さなこだわりと言わずもっとおもしろく出来ないだろうか。常日頃は安定の食欲だがたまにそんな欲求を抱けば成長したような錯覚に酔える。



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