新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第136庭 シャラの木(ナツツバキ)
根に応じた穴を掘削しバーク堆肥を混ぜ樹木を植えこむ。
バーク堆肥は樹皮を発酵させたもので土壌改良材として使い、土の保肥、保水、通気性を向上させる。肥料とは別物として捉えてほしい。つまり根の周りで水分補給と呼吸がしやすくする為の処置と思ってもらえばよいと思う。
植えこみ後、杭とシュロナワを使って根が動かない様に養生を行う。強風時、枝が右や左に煽られて不憫なのでどうにか縛ってくれという話が稀にあるが、風が吹けば枝が揺れるのは特別な事では無くむしろ過度な縛りは樹木の甘えん坊の育成につながるので中止したい。重要なポイントは根が動かない様に縛るのがポイントとなる。枝が動いても多少折れたねと言った程度で済むが根が動けば水分を吸収する細い根、細根が真っ先に寸断され水切れを起こし枯れる原因に直結してしまう。根が張るまでの期間しっかり固定するために株立ちの樹木は太い幹を優先的に固定し根が動かない様にしたい。
弱いものには優しくと言いたい所だが、簡単に風に揺れる細い枝だが可哀想と情けをかけてはいけない。風が吹いても折れなかった枝だけがその後成長し根から水分と養分が供給され育っていく自然の摂理に従う。
剪定は成長を促進させるために、そして美しく見える樹形に枝を切る事となる。この2点に共通している剪定個所は枝と枝が混み合い重なり合うように伸びている部分を中心に枝打ちを行う。重なり合った枝と枝は擦れお互いを傷つけあう、そして見た目にも乱雑で良くない。枝打ちしさっぱりすれば風通しがが良くなり病害虫の予防にも効果がある。植木は下部よりも上部の方が新芽を延ばす傾向があるので上を強めに落とし三角錐の形に整えていくと良いとされている。
剪定を終えた頃になると水極めの水も引き,土中に穿った穴があらわになっている。ここで土いじりを始める。水があるうちに土をいじるとこねる事になるので土が乾くと水をはじいてしまい根に水分供給が滞ってしまいやすくなるので注意が必要となっている。根回りの均し作業や水鉢形成は水が引いてから行いたい。
シャラによく似た樹木にヒメシャラがある。枝ぶりや葉の形、同時期に咲く白い花も似ているがヒメシャラは幹が薄い赤褐色で葉の色も薄めの黄緑色。比べればなるほど名前と相まって可愛らしい樹木と言える。
我が家にも娘が喜んでくれたらと思い小さなヒメシャラを小学校に入学した折に植えた。早いものでそんな娘もヒメシャラを横目に習い事に出かけるようになった。陽が長くなったとはいえ子供の帰りを気に掛ける親の気持ちはどこも変わらない。暮らしている同じ街で花が手向けられる様な悲しい事件があればなおさらだ。新潟の地元新聞に「夕刻のまちを眺め歩くと、いつもより玄関灯をともす家が多いと感じる。地域の誰かに安心を届けようとするメッセージではなかろうか。」とあった。家内は近所でも娘の送り迎えを始めた。私たちに出来る事は多くない、それでも小さな事だが出来る事はある。仕事でも家庭でも今日も明日も微力を尽くしたい。
越後職人宅の庭づくりをスライドショーで紹介