新潟の小さな外構店の職人が目指す日本一の仕事への道のり!第183庭 枕木・石・芝でアプローチ駐車場

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今回の現場は玄関前。
内容は枕木、石、芝でつくる自然風アプローチ・駐車スペース、そして二段分の玄関前階段。

予めの事前準備として土の撤去、砕石敷きを行っている。
最初に用いる材料は枕木。
人気ガーデニング用品としても広く用いられるようになった枕木。鉄道の線路・レールを支える角材がそれで、レールとボルト連結していた穴が本物の名残を残している。材質は様々だが一般的には固く耐久性のあるものが使われていてチェーンソーやドリルでの加工は煙が出るほど。ご家庭で用いる場合はご用心。
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設置個所に練ったモルタルを敷き枕木を設置。
設計高さで張った糸に枕木を合わせる。

砕石敷き、そしてモルタルで固めれば下地として十分に思えるが駐車場として使用する事を考えれば細部のほころびが気になる。普通車でも重量2tを超える車は多い、タイヤ一つにつき500kg。砕石はしっかり転圧してあるがモルタルは締め固めていない。もちろんそのままでも凝固し固まるが、少なからず空隙はあり密で無い部分が存在する。
そこで、
⇗画像右上、予定より少し高め(多め)にモルタルを敷いた所に枕木を載せタンパーで枕木を転圧、空隙を埋め、密度が高くなるよう締固めながら設置を行った。
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下地のモルタルはコテ圧をかけながらしっかり押さえ、タイヤが乗った時の寝転びやぐらつき防止に行う。
⇗画像右上、玄関前は枕木の今までの横設置から縦設置に切り替え階段状に設置。

シンプルな質問を投げかけられた。
なぜ砕石を敷く?

冒頭で土撤去、砕石敷きを行ったと記載したが枕木・砕石の厚み分、トラック何台もの土を重機で掘削・処分した後に砕石を運び入れ敷き均している。もしも砕石を入れなかったら土の撤去量は約半分、砕石代もかからないので費用もかなり抑えられる。
コストが抑えられるのは良い。しかし、砕石なしで枕木・石を並べるとどうなるのか?
答えは後にガタガタ・凸凹になる。
重さ・荷重を支えきれず下がってしまうからだ。どうにかなってしまうと多くの人が予想されると思う。厚みのある砕石が人や車の重量、⇓方向に働く荷重・力を分散し動きを押さえている。気になったのは砕石を入れる理由を工事関係者でも認識が甘い場合がある気がした。
理由はあるリフォームで掘り起こした時に砕石がサラッと程度の内容だった。もちろん皆さん限られた予算の中で行うのだから何でも入れればよいとは思っていない。コストダウン、必要性の少ない部分は省きケースバイケースで対応するのは良い。しかし車を乗り入れる場所で砕石をうっすらしか入れない事に後々怖く感じないのだろうか。
例えが長くなった。
当方こそ知らなかったとならない様に、若くないからこそ学びの機会を活かしたい。
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新潟県阿賀産三川石。
枕木の間、車のタイヤ位置に敷設。

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敷きモルタルを行い石を設置。
やはりモルタルはハンマー等で打圧を加え密度を高める様に締固めを行う。石組みと言うよりも石の乱貼りの要領でスペースにあった形の石を見繕いながら当てはめていく。



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強固な下地、車の乗り入れに対しての安定構造を中心の説明が多くなったが駐車場兼玄関前のアプローチである。歩きやすく通りやすいのはもちろんだ。
表面に出っ張りや引っこみといった石は使えない。凹凸が無い石、平面のある石選びが前提で最初こそ無数にある石の中から選べば良かったが全体の石の数が減る後半は探すのに苦心する事になった。
山の中から平面のある石探しに没頭する時間が徐々に長くなった。特に後半の作業は時間の制約に駆られ気持ちにあせりも生じるがほんの少しの「ある心」で仕上がりが大きく変わる場合もある。
それは遊び心だ。
一生懸命、無駄なく作業を進めよう、まじめにしっかり行おうとすればするほど平面の石を必死に探し見つけ、端から順番通り並べていく。しかし、そういった場合往々にして似たような形の石が揃ってしまい、人工的な面白味にかける仕上がりになるケースが多い。
大きい石の隣に小さい石を置きお互いを引き出しあう、角ばったもの横には丸いもの。人がつくっているのだからもちろん人工的なのだが自然を生活に取り入れた物の一つが庭である。今回のケースで例えれば自然の石を不自然にならないような形、程よいバランスで並べ仕上げる。
庭づくりは言ってしまえば作業の連続だ。遊び心で作業と言うと怒られてしまうかもしれないが後々この庭を眺める人の気持ちを考えたい。
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その他の部分を芝はり、彩り・バランスを踏まえ植栽。
これにて完成。
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