新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第107庭 土間コンのアクセント、玉竜をイエロー砂利にリフォーム

展示場も冬囲い

休みは何日から何日まで?」と毎年聞かれる家内の質問に「去年と同じ」と返すと「私の休みはきかないの?」と多少強めの言葉が毎年返ってくる。
この時期特有のごく平凡な日常会話が「健康に無事年末を迎えられた」という実感に変わるのだから不思議だ。 当展示場も雪の準備という事で冬囲い行った。今年の12月は暖かく感じる日が多かったので年を越しても雪が降らず冬囲いが無駄になるのも勿体ないなと考えながら縄を縛っていた。しかし、除雪の苦労を思い出すと降らないに越したことは無いとすぐに頭を振る。
ふと振り返ると植木鋏の切れ味が不十分で縄を切る時にゆるんだのか、今まで縛った縄が軒並みほどけそうになっていた。小さな息をはいた後、何はどうあれ今は集中と気を取り直し、去年まで親方が行っていた冬囲いを今年は当方が済ませた。
コンクリート溝 玉竜

画像左上はカーポートを備えたコンクリートになっている。そこはカーポートの屋根で雨が当たらないのでコンクリートの溝には水の必要性がないイエロー砂利が敷いてある。一方、画像中央部のコンクリートの溝は雨が当たるので玉竜が植え込まれている。コンクリートの奥側、傾斜部に茂っている芝が茶褐色だが玉竜は常緑なのでこの時期も青々としている。
さて今回はこの玉竜からカーポートのついたメインの車庫と同じイエロー砂利へ変更のリフォーム工事を行う。
値を拡げた玉竜
コンクリート表面の削れ具合をみると、あまり摩耗された感じもなく出来て何年も経った様子には見られなかった。年数が経っていない事から根も伸びていないと考えたが玉竜の色味がかなり鮮やかに見える。想定より根は拡がっているのかもしれない。元々、生命力の強い玉竜だが、よほど居心地がよかったのかどっかり据えついた溝からなかなかでてこない。最初に工事を行った業者さんがしっかり植えられたのだろう。力を込めて掘り上げると色の深さと比例するように広がった根をのぞかせた。
耐久性の高い防草シート推奨
残さないように根もしっかり取り除き、溝の底に雑草対策の防草シートを敷く。防草シートといってもホームセンターで売ってるものから業者が使うものまで種類はピンキリ。しかし、長年砂利の下で雨水にさらされながら雑草を抑制し続ける役割があるので耐久性が高いものを推奨したい。
砂利が飛び出さない工夫
コンクリートの溝に入れる砂利の量はちょっとした当店ならではの決まりがある。それは「砂利の量は少なめ」。
少なめと記載すると自分でも目を細めたくなる気分になるが、多めにいれると困った事がおこる。
以前コンクリートと同じ高さまで砂利をなみなみ溝にいれた所、車を駐車する際どうしてもタイヤに砂利がくっついてしまい画像同様、コンクルート表面に砂利が散乱してしまった。その砂利をタイヤで踏みつけてしまいコンクリートにあたった時のカチッとなる音が痛々しい。他にも冬場の除雪の際、雪と一緒に砂利がくっつき融けると同じ場所に砂利の小山ができていたとお客様からありがたくも経験談を拝聴させてもらった。それからは決して多く入れず控えめの量と決まりになった。
芝と隣接する部分を2重
コンクリート奥部の芝と隣接する部分は芝防草シートを折り曲げ2重にする。傾斜になっているので大雨の際に一緒になって流れでる土の流出対策。実際は密に伸びた芝の根で土の流出はほぼほぼ無いと思うが、気になりだすとストレスを感じる小心者なので一手間つけ加える。
シートが隠れるように化粧砂利
シートは立ち上がっているが砂利でうまく隠せた。
コンクリート溝 化粧砂利
これにて完成。
今回の工事は短時間で済ませられた。年の締めくくりには「手の込んだ工事を取り上げたい」とも思ったが、こんなシンプルなつぶやきも悪くない様に思えた。
以前、大きな事ばかり言う入って間もない新人に「小さい事ができない奴に、大きなものはつくれない」と親方が諭していた光景ををおもいだす。
「剪定した植木のゴミやら片付けも満足にできないのに鋏を持たせるわけないだろう」
「片付けができる様になったら鋏の研ぎ方ぐらい教えてやる」

 

当方は今でも新人にまじってスコップ片手に穴掘りをする。重い物も持つ。もちろん仕上げ仕事があるからと別の事をする事もできるが、一緒に行う。仕事着で後輩達が自宅に来た時、家内に「あなたが一番汚ないかっこしていた」と告げられその後、事あるごとに言われる。
大変な力作業も泥まみれの汚れ作業もそして綺麗な仕上げ作業も全部ひっくるめて庭が完成すると教わった。大きいも小さいも関係なく喜んでもらえる庭を自分でつくりたい。月日というのはありがたいもので自分で思っているよりも人は変われる。汚くて大変な事は嫌だと言っていた口ばっかりの新人もそう思えるようになった。

 

来年、家内に「休みいつから?」とこちらから聞いてみるのもいいかもしれない。一年もあれば会話の変化をつけるぐらい変われる筈だ。

ちょっとした事だとは思う。でもそんな小さな事も教えてもらった。

 

形見分けで譲りうけた少し錆が浮かんで切れ味の悪くなった鋏は正月休み、念入りに研ごうと思っている。




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