新潟の小さな外構店が本気で目指す日本一の仕事への道のり!第134庭 目隠しフェンス

例年より暖かいようで早くも太平洋側ではソメイヨシノの開花がつげらている。だが、振り返れば今季の冬は日本各地で大雪に見舞われたニュースをよく見かけた。新潟市内ではまだ大型駐車場の隅に黒い雪の山が残っている。普段、ほとんど意識することはないが雪に混じった黒い物が多少なりとも漂う中で生活しているのかと思うと毛嫌いしていたマスクが急に素敵なものに感じてしまうのが不思議だ。「今年いきなり来た」と告げた家内はマスクをしながら大きな声で「ハクション」と連呼している。花粉症らしい、ティッシュボックスを抱えた姿を見つめていると目があったので「ご苦労様です」と告げた。
目隠し設置前1

目隠し設置前2
住宅部の裏手側に設けた庭。工事は進み最後に目隠し板を取り付けるのみとなっている。画像からも分かる通り、目隠し板の土台はブロックを積み上げ柱を1mで等間隔に立ててある。
目隠し樹脂板

ドリルビス
使用する木目調樹脂板とドリルビス。通常のビスと違って先がドリル状になっているので穴をあけながら入っていく特徴がある。つまり穴が無くともこれを使用すれば簡単にビス留めが可能になる。 しかし問題もある。フェンスの柱は固く、樹脂板は熱に弱い。
下穴なし
実際にビスを打ってみると、ドリルビスは回転しながら僅かずつ穴をあけてはいくものの牛の歩み。次第にビスにらせん状に刻まれた溝をなぞって樹脂板が浮かび上がってきてしまう。この先に問題が生じるのでストップ。以前の失敗談だが、実は穴を穿とうとドリルをこれ以上回転させると摩擦熱で高温になってしまい樹脂板が融けてビスの穴の周りが拡がってしまう。つまりビスを留めどもゆるい状態になり風が吹けばカタカタと動いてしまう。
柱部 下穴

ビス打ち
インパクトドライバーの先を取り付けドリルに変えて下穴をあけた後、ビスをうつ事で必要以上の回転摩擦が生じずうまく打ち込める。手順が増えるので時間短縮にはならないがここは正攻法を推奨。
目隠しジョイント部

ジョイント部 下穴

ジョイント部 ビス打ち
樹脂フェンスのジョイント部(つなぎ目)は当て板をあてがい、やはり樹脂製なので下穴をあけてからビス打ちを行う。
コマ入れ1

コマ入れ2
樹脂板がズレ等なく間違いなく均等均一に配置されるよう切り揃えたコマを配置しながら順にビス打ちを行う。
目隠しフェンス
これにて完成。
劣化に強い樹脂材商品は増え続けている。雨風のある外部では天然木は扱いにくい様だ。昔はフェンス等で天然木も今よりずっと多く使っていた。修業時代の頃は木を丸のこで寸法に合わせて現場で加工した。切った際に出る切り子でくしゃみが止まらない事があった、息苦しさを我慢しながらマスクをつけていたと思うと厳しかったあの頃すらも懐かしい。
今時期は花粉症対策であろうマスクをしている方を多く見かける。症状が強く出る人はかなりつらいようで身近に見ると切実さが伝わってくるほど諸症状が止まらない。大雪と例年より暖かい春、そして花粉の量は関係があるのだろうか。
先日、風が強い日に砂埃でも目に入ったのか痒みが止まらない。帰宅するなり目薬の場所を家内に聞くと、「こんにちは、花粉症さん」と言われた。汚れた手で擦っただけと言っても家内は何故か少し嬉しそうにしている。翌日、家内が入れたのであろう手持ちのカバンに目薬があった。おせっかいと感じたが、何故か目が痒い。
目薬を差していると同僚に花粉症?と聞かれる。首を横に振ると、「そうだよね、今までそんな感じじゃなかったもんね」とありがたくも前向きな返しをしてくれる。うんうんと頷き返しながらもティッシュを抱えた家内がつらそうに「今年いきなり来た」と弱弱しく放った言葉を思い出した。


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